チルゼパタイドは、代謝性疾患の治療に大きな期待が寄せられている、新規のGIP/GLP-1受容体デュアル作動薬です。2種類の天然インクレチンホルモンの作用を模倣することで、インスリン分泌を促進し、グルカゴン値を抑制し、摂食量を減らすことで、血糖値を効果的にコントロールし、減量を促進します。
承認されている適応症としては、現在、2型糖尿病患者の血糖管理と、肥満または過体重の患者における長期体重管理が承認されています。その臨床的有効性は複数の研究によって強く裏付けられています。SURPASS試験シリーズでは、チルゼパチドが様々な用量でHbA1c値を有意に低下させ、セマグルチドなどの既存治療薬よりも優れた効果を示すことが示されました。体重管理においては、SURMOUNT試験で印象的な結果が得られました。患者によっては1年以内に体重が20%近く減少した例もあり、チルゼパチドは市場で最も効果的な抗肥満薬の一つとなっています。
糖尿病と肥満以外にも、チルゼパチドの潜在的な適応は拡大しています。現在進行中の臨床試験では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、慢性腎臓病、心不全などの疾患の治療への応用が検討されています。特に、第3相SUMMIT試験では、チルゼパチドが左室駆出率保持型心不全(HFpEF)および肥満を有する患者における心不全関連イベントの有意な減少を示し、より広範な治療応用への新たな希望をもたらしています。
投稿日時: 2025年7月24日
 
 				