| 名前 | アトシバン |
| CAS番号 | 90779-69-4 |
| 分子式 | C43H67N11O12S2 |
| 分子量 | 994.19 |
| EINECS番号 | 806-815-5 |
| 沸点 | 1469.0±65.0 °C(予測値) |
| 密度 | 1.254±0.06 g/cm3(予測値) |
| 保管条件 | -20℃ |
| 溶解度 | H2O:≤100 mg/mL |
アトシバン酢酸塩は、9個のアミノ酸からなるジスルフィド結合環状ポリペプチドです。オキシトシン分子の1、2、4、8番目の位置が修飾されています。ペプチドのN末端は3-メルカプトプロピオン酸(チオール基と[Cys]6のスルフィドリル基がジスルフィド結合を形成)、C末端はアミド基、N末端の2番目のアミノ酸はエチル化修飾された[D-Tyr(Et)]2基です。アトシバン酢酸塩は、酢などの医薬品では酸塩として使用され、一般にアトシバン酢酸塩として知られています。
アトシバンはオキシトシンとバソプレシンV1A受容体の複合拮抗薬です。オキシトシン受容体はバソプレシンV1A受容体と構造的に類似しています。オキシトシン受容体が遮断されても、オキシトシンはV1A受容体を介して作用するため、上記2つの受容体経路を同時に遮断する必要があり、1つの受容体を単独で拮抗するだけで子宮収縮を効果的に抑制できます。これは、β受容体作動薬、カルシウムチャネル遮断薬、プロスタグランジン合成酵素阻害薬が子宮収縮を効果的に抑制できない主な理由の一つでもあります。
アトシバンはオキシトシンとバソプレシンV1Aの複合受容体拮抗薬であり、その化学構造は両者に類似しており、受容体に対する親和性が高く、オキシトシンおよびバソプレシンV1A受容体と競合することで、オキシトシンおよびバソプレシンの作用経路を遮断し、子宮収縮を軽減します。